基本項目
基本項目
受付可能形式や製本方法などの基本項目です。

断ち切りってなに?

同人誌の原稿を作る段階でよく聞く"断ち切り(断ち落とし)"。
原稿を作る上で重要な言葉なのですが、何のために必要なのかピンと来ないかもしれません。
実は原稿を描きはじめる前に意識しておかないと後からの修正が難しいポイントですので、 理解した上で原稿に取り掛かるのがオススメです。

STEP1 …そもそも断ち切りって何?

本が出来上がる工程は、おおまかに言うと印刷(いんさつ)→製本(せいほん)→断裁(だんさい)です。

製本の流れ

それぞれの工程で1mmもズレずにピッタリ合わせる事ができれば 断ち切り分は必要ないのですが、どうしても1mm前後はズレが発生してしまいます…。
この各工程でできてしまう、ちょっとしたズレを目立たなくさせるために"断ち切り"を作ります。

STEP2 …断ち切り部分を作る

市販の紙原稿で作成する方は、紙原稿に使い方が書いてありますので、よく読んでみてください。
漫画の内枠の基準線となる線も引いてあるので、お間違いのないようにご注意ください。

デジタル原稿の場合は、まず最初の設定が重要です。
断ち切り分は3mmご用意ください。(ポプルスに入稿する場合は、トンボ不要です)

本によく使われる以下のサイズを例にすると…
B5サイズ182mm×257mm同人誌で一般的なサイズ
A5サイズ148mm×210mm少し小さめの一般的なサイズ
B6サイズ128mm×182mm青年漫画等の単行本サイズ
文庫サイズ105mm×148mm小説本にとても多いサイズ

断ち切り分3mmを含めたサイズ設定(これを初期設定にします)
B5サイズ188mm×263mm左右上下それぞれ3mmずつ
足したサイズになっています。
(高さ幅共6mm大きいサイズ)
A5サイズ154mm×216mm
B6サイズ134mm×188mm
文庫サイズ111mm×154mm

文字だけだとちょっと分かりづらいので、図でB5サイズの設定を見てみましょう。
サイズ
左の画像の赤くなっている部分が断ち切り分です。
右の画像は、その断ち切り分を切って実際の仕上がりにしたイメージです。

では、断ち切り分があると実際にどういうことが回避できるかご紹介します。
下図は同じズレが発生した場合の比較です。
断ちズレ
よく見ると右の画像は白い部分が出てしまっています。
わざと斜めにズラしたものですが、同じようにズラした左の画像は 断ち切り分があったので客観的に見るとズレが分からない仕上がりでした。
ここまで極端にズレることは滅多にありませんが、少しでも白い部分が出ると目立ってしまいます。

STEP3 …文字の位置に注意してみる

上記まで周りに3mm大きく画像が必要だという事をご説明いたしましたが、 それと合わせて、文字などの切れてほしくないものは余裕をもって配置することが重要になります。
文字の位置もズレる可能性があり、ギリギリの位置にある文字は切れてしまう場合があります。

■文字が切れないようにするには?
絶対に切れてほしくないものは、仕上がりから3mm以上離すと安心です。
ギリギリのデザインにしたい方も、3mmでも結構ギリギリに見えます。
文字切れ

■逆に文字が切れるデザインにするには?
確実に切れるようにする為、わざと断ち切りまで伸ばすのも手です。
もしくは、ハッキリと切れる位置まで出すようにしましょう。
※切れるデザインの場合は、予め注文時にメッセージで教えていただけますと幸いです。
文字切れ

STEP4 …もし断ち切りを作り忘れてしまったら…?

慣れている人でも、断ち切りのことを考えながら原稿作成するのは難しいものです。
塗り終わって改めて見てみると、断ち切りのことを考えていなかった、なんてことも…。
そんな時のアイデア例をご紹介します。

アイデア1
周りに枠を付けてみましょう。
これが一番簡単な方法です。

こうすれば、描いた絵を切らずに
全て利用する事ができます。

断ち切りを考えていたけど、絵の端まで
どうしても使いたいなぁという時にも
この方法が良いのではないでしょうか?

枠がギリギリすぎると意味が無いので、
枠の幅は仕上がりから3mm以上、
断ち切りの外側から6mm以上
の幅に
しましょう。
アイデア1
アイデア2
断ち切り3mmは無理でも、
なんとか1.5mmを確保する。

文字の位置に少し余裕があるなら、
少しだけ拡大して断ち切り分を
1.5mmにしてしまうのも一つの手です。

本当は3mmあると安心なのですが、
ギリギリ大丈夫です(ポプルスの場合)。

※ただし、本文原稿にアミ点が使用
されているものを拡大するとモアレが
発生しますので、ご注意ください。
アイデア2
アイデア3
スタンプツール等で描き足す。

時間はかかりますが、上手くできれば
この結果が一番綺麗です。

PhotoshopCCであれば
「コンテンツに応じて塗りつぶし」機能
を使うと、かなり良い感じに自動で
塗りつぶしてくれ、修正が少しで済む
場合があります。
それ以外のソフトの場合は、
かなり時間がかかってしまうので
アイデア1・2をオススメします。
アイデア3

番外編 …ポプルスではどうしてる?

もし万が一断ち切りが無い原稿だった場合、ポプルスでは以下の対応をしています。

■拡大できそうなら拡大する(特にご連絡はしません)
文字がよほどギリギリでない&仕上がりに影響ないデザインだった場合、少し拡大して断ち切り分を作成します
白い部分が出てしまうと単体で見たときには目立たないのですが、並べてみたときに個体差が多く出てしまうので、可能な限り断ち切り分を作成しています。

■対応をご相談する
拡大すると文字が切れてしまったり、モアレ等が発生してしまう場合には、お客様にご相談してどちらを優先するか決めていただきます
文字や切れてまずそうな絵は、弊社では判断できませんので
お客様にご相談させていただきます。
(入稿した後も連絡がつくようにしていただけますと幸いです)

■そのまま手を加えずに進行する
対応をご相談したときに連絡が取れなかったり、
急ぎのセットだった場合にはそのまま進行します
1週間以内の納期でご利用の際には、予めよくチェックしてからご入稿いただけると安心です。

本のとじ方、とじ方向

ポプルスでは、基本的に2種類の「とじ方」から選んでいただきます。
それぞれの「とじ方」の特徴を知っておくと、原稿作成に役立ちます。
また、本の中身によって自ずと「とじ方向」が決まります。

平とじ 平とじ(無線とじ)は、“のり”を使って製本する方式です。
ノド側(本の内側)が“のり”でくっついている為、完全には開きません。
その代わり多いページ数に対応できます。

ノド側が少し隠れる為、文字等がギリギリにあると見えなくなります。
見開きで繋がっている絵の場合、あえて中心を空けてあげると詰まって見えなくてちょうど良くなります。
→本文(画像):見開きを繋げるコツ

表紙には背表紙分の幅が必要です。
中とじ 中とじは紙を真ん中で折り、針金で留める方式です。
平とじと違ってノド側(本の内側)が全て見える状態になります。

40ページまで受付可能です。

平とじとは逆にノド側の文字が隠れてしまうことはありませんが、絵が繋がっていないと目立ってしまいます。
見開きで繋がっているページを作る場合はご注意ください。

背表紙は必要ありません。

右とじ 文字が縦書きの漫画、
小説ものなど


オモテ表紙に向かって右側がとじられている本の状態です。
繋がった状態で表紙を作る場合は、左側にオモテ表紙がきます。

日本の漫画は通常右とじが多いです。
小説なども縦書きなので、国語の教科書等も右とじです。

奇数ページの右側、偶数ページの左側がとじられます。
左とじ アメコミ、数学のテキストなど

オモテ表紙に向かって左側がとじられている本の状態です。
繋がった状態で表紙を作る場合は、右側にオモテ表紙がきます。

セリフが横書きのアメコミ形式の漫画や、理系・外国語のテキストなどは、この形式です。

奇数ページの左側、偶数ページの右側がとじられます。

本、原稿のサイズについて

ポプルスでは小さいほうから順に、A6(文庫)、新書、B6、A5、B5、A4の基本の6サイズ から選んで作ることができます。セットによって利用可能なサイズや価格が変わります。
(短辺が規格サイズの正方形の本は、追加料金なしで作れます)

データ原稿は、原寸(断ち切り分含む)でお作りいただき、用紙の中心に配置されていれば 余白やトンボが付いていても付いていなくても問題ありません。
  • 快速本など急ぎのセットをご利用いただく場合は 断ち切り分まで(以下で説明するサイズ)にカットしてください。


A6 文庫(A6)サイズは、主に小説系の本でよく使われるサイズです。
カバーオプションをご利用いただければ、市販の文庫本のような仕上がりになります。

本が小さいので、ページ数がかなり多くなっても重くならないのでオススメです。
新書 新書サイズは、よく社会的に関心を持たれていることや専門的な分野についてテーマを絞って出される本に多いサイズです。
ポプルスでは107×175mmとしていますが、会社によって違いますのでご注意ください。

他のサイズは他社のテンプレートを流用できることが多いですが、新書サイズは違う可能性が高いです。
B6 B6サイズは、青年向け漫画雑誌の単行本に多いサイズです。
少年少女向け漫画単行本を除けば、最も多いサイズではないでしょうか。

ポプルスでは本文用紙にコミック紙を選択し、カバーオプションを付けることで市販の漫画単行本のような仕上がりにできるのでオススメです!
A5 A5サイズはワイド判の漫画単行本や教科書で使われているサイズです。
女性向けジャンルの同人誌では主にA5サイズが多いのではないでしょうか。

小さくもなく大きくもなく、バランスの良いサイズです。
ポプルスではB5と並んで多くご利用いただくサイズです。
B5 B5サイズは週刊誌に多いサイズです。
週刊●●●●といった少年漫画誌は大体B5サイズです。

A5と並んで、同人誌では最も一般的なサイズかと思います。
A5よりも大きいので、より迫力のある表現だったり、細かい字もたくさん入れ込むことができます。
A4 A4サイズは大きめの雑誌に多いサイズです。
また、仕事で使うコピー用紙は通常A4サイズが多いですし、ファイルもA4サイズが丁度入るようなものが多いです。

B5よりも更に大きいので、たくさん情報量を詰め込む本や、絵を大きく見せたいイラスト集に向いています。

ページの数えかた

ノンブル(ページ番号)をふる時に、どういう風にページを数えたら良いかを紹介します。

ページ番号はオモテ表紙から1ページ目として数えます。
オモテ表紙の裏が2ページ目、本文は3ページ目からとなります。
また、遊び紙など印刷されてない紙を間に挟む場合、それはページ数には数えません。

レーザーカット遊び紙、遊び紙(前後)、
口絵2ページ分ありの34ページの本の場合


ページ数の数え方

もし遊び紙に印刷がしてあれば、それは本文扱いとなりページ数に数えます。
(フェアの柄付き遊び紙は除く)

ページ番号の振り方は絶対こうでなければいけない、というものではありませんが ページ番号やファイル名がバラバラですと乱丁の原因となります。

ファイル名の付けかた

データ原稿はファイルの並べ替えなどで順番どおり並んでいないと乱丁の原因となります。
乱丁・落丁のリスクを減らすため、以下のような点にご注意ください。

ファイル名

通し番号はファイル名の先頭につける
ファイル名の末尾に番号を振らないようにお願いいたします。(クリスタ等で一括書き出しした場合を除く)
本文に関しては、数字だけのシンプルなファイル名がオススメです。

本の総ページ数によって桁を合わせてください
98ページまでの本は01・02・03というふうに2桁でも大丈夫ですが、 総ページ数が100ページを超える場合、001、002、003、というふうに 3桁で数字を振っていただけますようお願いいたします。

できる限り半角英数字で名前をつける
漢字やカタカナでファイル名をつけてしまうと 環境によって文字化けが発生し、最悪ファイルが開けない状態になってしまいます。
ファイル名はできる限り半角英数字でつけていただけますと幸いです。

例:× 表紙.psd → 〇 hyoushi.psd

カバーや表紙を全て繋げた状態でご入稿いただく場合は「cover」「hyoushi」、 表紙・裏表紙が別々の場合は「hyoushi」「urahyoushi」等と分かるようにしていただければ大丈夫です。

本の奥付について

奥付には、その本の発行者や発行者の連絡先、発行年月日、印刷所名などを記載します。
最低限載せておいた方が良い内容や、間違いの多い点などをご紹介します。

■発行日:20○○年○○月○○日
発行日はその本を公開する日を記載します。
即売会で初めて売る本でしたらイベントの日にちを記入すればOKです。
「発効日」の字は原則間違いですが、お客様の表現を優先してそのまま進行します。

■発行(発行者):お客様の本名/ペンネーム/サークル名 など
本を誰が発行したか示す必要があります。
名前だけでなく、その前に発行または発行者と付けましょう。

■連絡先:×××@×××.ne.jp
連絡先は非常に重要で、その本が世に発表されたものであるならば、 その責任は誰が持っているのかをハッキリさせることが必要になります。
ポプルスでは年齢制限がある本の場合、連絡先を入れていただけるようお願いしております。
  • 成人向けの場合、pixiv、X(Twitter)などのSNSのIDは原則連絡先と見なしておりません。
    メールアドレスを入れていただきますようお願い申し上げます。

■印刷所:株式会社ポプルス
名前を入れていただく場合には必ず手前に「印刷」もしくは「印刷所」と付けてください。
「発行:ポプルス」のように書いてある場合は修正をお願いしています。
他社様のお名前になっていることが多いです。ご注意ください。

頒布する場所によっては必須の場合もありますので 原稿を作成する前にチェックされる事をオススメいたします。

本の内容によりますが、年齢制限が設けてある本の場合には
印刷所名を必ず入れてください。

OKな例
株式会社ポプルス / 株式会社POPLS / (株)ポプルス / (株)POPLS / ポプルス / POPLS / 印刷会社ポプルス

NGな例
ポプルス株式会社 / POPLS株式会社 / ポプルス(株) / POPLS(株) / ポルプス、プホルスなどの間違い
POPLUSなどのつづり間違い / 他社の名前が書いてある場合(カバーなどパーツ印刷だけの場合を除く)
株式会社ぽぷるす(ひらがな表記)
スペシャルサンクス:ポプルスなど、印刷として関わったか曖昧なもの

記載例
発行日:2023年11月8日
発行:○△×○△× / サークル ○△×○△×
連絡先:メール ×××@×××.ne.jp
    ホームページ http://www.××××.jp/
印刷所:株式会社ポプルス

カラー原稿のRGBとCMYK

イラストを描くソフトは色々ありますが、印刷所が推奨しているCMYK形式を 使用できるソフトは、そう多くありません。
ほとんどがRGB形式のみとなっているので、どうしたら良いか迷っている方も多いのではないでしょうか。

ポプルスのフルカラーは最新のジェット印刷を使用し
RGBのデータも高彩度で印刷可能です!
元々RGBで作成された原稿は、是非RGBのままでご入稿ください!


RGB

それでは、まず簡単にRGBモードとCMYKモードの違いについて知っておきましょう!
(RGBやCMYKそれぞれの中にも色々な種類があるのですが、ここでは省きます)

■画面で見せるのが得意なRGB
RGBモードは、WEBで公開する時など画面で表示させるときに綺麗に見える形式です。
なぜ画面で綺麗に見えるかというと、モニターと同じように
R(レッド)G(グリーン)B(ブルー)という光の三原色で構成しているからです。

RGB

画面上では蛍光色に見えますが、当然ながら印刷物は蛍光色のインクなどを使用しない限り 蛍光色にはならないので、画面で見たものとイメージが変わってしまう場合があります。

RGB
  • 大体のイメージです。最新の印刷機により、表現できる中でできる限り鮮やかな色に印刷いたします。
    色の再現を事前にご確認されたいお客様には「サンプル確認サービス」をオススメします。
カラーピッカー Photoshopでは、印刷時に色が変わりやすい色に関して警告が出ます。
印刷時に変わってしまう可能性がある色ということで参考にしましょう。

■印刷するのが得意なCMYK
CMYKモードはC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)の色の三原色と K(ブラック)の4色を組み合わせて表現する形式です。

CMYK

この形式は、画面上で見ているだけでは少し濁ったように見えてしまうかもしれません。
直感的には作業しにくいのですが、慣れると色を自分の思い通りに扱えるので便利です。
基本的には、色は混ぜれば混ぜるほど濁るということを頭に入れておけば問題ないと思います。

CMYK

CMYそれぞれの単色が一番あざやかで、2色だけ混ぜたものがその次、3色混ぜたものは彩度が低く、 黒を混ぜていくと更に暗くなっていくというようになっています。
その仕組みを分かっていると、数値を見ただけで大体どんな色になるか分かるようになり 明るい色も暗い色も思いのままに扱えるようになります!

解像度について

カラーのイラストは、よく解像度350dpiで入稿するように促されます。
では、350dpi以外だったら印刷できないのでしょうか?
結論から言うとそんなことは全然ありません。オススメの解像度が350dpiというだけです。
それでは、なぜ350dpiをオススメするのか簡単に解説していきましょう。

■解像度の単位
この解像度という言葉は使う場面によって意味も変わってくるのですが、画像データにおいては、その画像がどれだけ細かく表現されているかということです。

単位は「dpi」で表されます(ソフト上の表記では「ppi」)。

「dpi」は、ドット「dot」 ・ パー「per」 ・ インチ「inch」のことです。
インチは長さの単位で、1インチは2.54cmになります。
要するに2.54cmの中にどれだけ並べられるかというドットの大きさを表しています。
(「ppi」は「pixel/inch」のことで、ドットをピクセルで言っているだけなので概ね同じ意味です)

解像度
解像度が高いという事は、同じものを表現するにもドットが細かく多いという事になります。
解像度
ということは、350dpiよりももっと高解像度の画像であれば、更に細かく再現できる…?
答えは一応YESなのですが、そうなると今度は印刷方式や機械の性能にも関わってきます。
また人間の目には判別できないほど細かくなってもあまり意味が無いというのもありますし、 加えてカラーのデータなので、データのサイズも非常に大きくなってしまいます。
ですので、ちょうど良いところとして350dpiをオススメしています。

★最新機種のジェット印刷では、細かい文字や線がある場合600dpiもオススメです!
解像度


解像度

多少ぼやけたようになってしまいますが、200dpiや300dpiでも印刷はできますのでご安心ください。
(書き出しミスも考えられますので、あまりにも粗い場合には一応事前に確認させていただきます)


なお解像度は「非可逆」なもので、一度下げて保存してしまうと後で戻そうと思っていても元に戻りません。
最近は高精細化するアプリなどもありますが、あくまでも疑似的なものとなります。

解像度


■モノクロ原稿の解像度
カラー原稿の解像度は350dpiとしておりますが、
モノクロ原稿は600dpiでの入稿をお願いしています。
カラーは350dpi、モノクロは600dpiという理由は以下にあります。

モノクロ解像度
上の図のように、モノクロ印刷は表現できる色の数にハンデがあります。
モノクロでちゃんとした表現をするには、ある程度のアミ点の細かさと形の正確さが必要になります。
それが600dpi以上という数字になっています。

また、カラーと決定的に違う部分として、アミ点(スクリーントーン)を使用する場合は 解像度は600の倍数でなければならないという縛りがあります。
それは、印刷機や印刷に使用する製版機の解像度が600の倍数で設定されているからです。
ですので、もし600dpiより高い解像度で作ろうという事になったら1200dpiで作成する必要があります。

当然のことながら最初別の解像度に設定してしまうと、後で600dpiにしても意味がありませんので 新規作成の設定で600dpiにしておく必要があります。

モノクロ解像度
アミ点を使用した場合は最初から600dpiもしくは1200dpiが必須ですが、 特にアミ点が無くグレーのみの画像であれば、300~350dpiでも 問題ないかと思います。(例えば表紙の絵をグレー化して本文扉ページに使う場合など)
ただし、アミ点を使った画像が600dpiの倍数以外だった場合はモアレてしまいます。
  • アプリや環境によっては、600dpiに設定できない場合があります。その場合は、アミ点(スクリーントーン)の使用をお避けください。

モノクロ原稿の濃度

画面上では凄く薄い色や濃い色も判別する事ができますが(モニターにもよります)、 実際に印刷をしてみると10%より薄い色はほとんど白になってしまったり、 90%より濃い色はほとんど黒になってしまったりと、印刷で再現できない場合があります。

5%以下の細かい模様などはモニターでも判別が難しくなり、 何か描かれていてもほとんど印刷されない状態となってしまいますのでご注意ください。

濃度
例えば、下の画像はKが90%以上のモザイクですが、印刷ではほぼ黒のみとなってしまいます。
(モニターによっては見えないかもしれませんが、設定を明るくしてみるとモザイク状になっています)
濃度

トーンについて

アミ点を使うと、グッと漫画らしくなりますよね。
ただ、モアレが出てしまい失敗したという方も多いのではないでしょうか。
ここだけ理解しておけば確実に綺麗な原稿ができる! という点をご紹介します。

■モアレの原因は何?
モアレとは、アミ点同士が干渉して模様のようになる現象の事です。
紙原稿用のスクリーントーンを持っている方は、2枚重ねて角度を変えてみると再現できます。

印刷する際にグレーの部分はアミ点化されるので、そのアミ点と 元のアミ点が干渉してモアレは発生します。
(FMスクリーンなど、印刷方式によってはアミ点にならず干渉しない場合もあります)

モアレ

他に、アミ点の形が崩れるとモアレになる場合もあります。

モアレ

モアレ

モアレ

グレーの部分が分解される際にアミ点に干渉するため、上の3つの事例でモアレが発生しやすいです。

グレーベタの上にアミ点が重なっている」のと「アミ点の色がグレーになっている」場合は、 アミ点を粗くすればモアレを回避できます。
上記表現を使いたい場合は、20~30線くらいまでのアミ点でなるべく薄い色でご使用ください。


一番上のアミ点にアンチエイリアスがかかっている場合、原因は二つ考えられます。

モアレ

アミ点を作ってからカラーモードがグレースケールの状態で変形させてしまうと、 網点がぼやけて(アンチエイリアスがかかって)しまいます。
また、モノクロ2値の状態で縮小すると、今度はアミ点の形がグチャグチャになってしまいます。
サイズはアミ点を作る前に確認しておきましょう。


モアレ

PSDへ書き出すときの設定で、仕上げ情報の中に「トーン設定」があります。
ここの設定を「すべてモノクロの網点で出力」にしておかないと、アミ点にアンチエイリアスが かかった状態で書き出されてしまいます。
この設定はVer4.5以降でないとできませんので、最新版にアップデートしてから設定してください。

  • 現在のCLIP STUDIOでは、「コミック向き」の設定にしていただければ問題ありません。
    詳しくは公式サイトの「使い方講座」をご参照ください。

トーン書き出し時の注意点

コミックスタジオでは、グレーのベタやモノクロ2値のアミ点を同一原稿上で混在させる事ができます。
色々な表現を可能にしていますが、印刷品質の低下につながる場合もありますので レイヤーの設定や書き出しの際に注意が必要な点がいくつかあります。

コミックスタジオをお使いの方でPSD画像に書き出した際、画像が下のようになったことはありませんか?

コミスタ

これはどういう状態かというと、グレーの部分が凄く細かい点々になっているのです。
印刷した時に濃い色だと潰れたように(ほぼ黒に)なってしまうこともあります。
どうしてこうなるかというと、一つはレイヤーの設定で「減色」していること、 もしくは書き出しの際に「モノクロ2値」で書き出している事が考えられます。

逆に、これを自由自在に使いこなすとグレーで塗った部分とアミ点が共存できる 原稿が作れますので覚えておくと便利です!


それでは早速、どういう風に設定を使い分けるか見ていきましょう。
レイヤーの設定でそれぞれ表現したいものに合わせて設定していきます。

コミスタ

コミスタ

以上二つの設定は同一レイヤー上では別々に設定できませんので、 最後まで統合しないようにしておきましょう。

次に、書き出しの設定方法です。

コミスタ

トーン設定は上の項目「8:網点(スクリーントーン)を使いこなそう!」をご覧ください。
  • CLIP STUDIOについては公式サイトの「使い方講座」をご参照ください。

グレー変換時の注意点

表紙や別の場所で使用したカラーイラストをモノクロ本文で使用したい場合、 ソフトでグレースケールに変換したり彩度を下げる必要がありますが、 その際に注意したい部分があります。

↓このRGB画像を実際にグレースケール変換してみましょう
グレー

↓グレースケールに変換した(彩度を落とした)状態
グレー

右側の部分が、ほぼ同じ色のようになってしまいました。
カラーの画像は明度の他に彩度や色相によって様々な色を作り出すことができますが、 グレースケールにおいては明度の差だけですので、このような状態になってしまいます。
左のイラストも、カラーの時に比べると状況が分かりづらくなっていますよね。
このように、変換した後も微調整が必要になる場合があります。

レイヤーは統合して入稿しましょう!

アプリによって調整レイヤー(乗算やオーバーレイなど)のかかり方が違うので、入稿用のデータは統合してから入稿するようにしましょう。

レイヤー統合
このように、色を自動で補正する機能などはアプリケーションによって同じ名前でも効果のかけ方が全く違う場合があります。ポプルスではPhotoshopCCで原稿を確認していますが、お客様がそれ以外のソフトで作成された場合は、お客様の意図した見た目と全く違う結果となってしまう場合がありますので、こういったレイヤーは必ず統合しましょう。
(バージョンの違いによっても変わりますので、Photoshopの場合でも統合してください)

レイヤー統合

複数の原稿は圧縮してご入稿ください

マイページから一度に入稿できるファイル数は6ファイルまでです。
本文の原稿など、複数の原稿を一度に入稿する場合には「圧縮」をしてから入稿しましょう。
圧縮にはフリーソフト(アプリ)をご利用ください。

圧縮
また、同日に複数ファイルを入稿する場合、ファイル名が被らないように付けましょう。

圧縮
万が一差し替えが発生した場合も、判りやすいファイル名を付けてください。

圧縮

受付可能な原稿メディア

ポプルスでは以下の原稿形態で受付可能です。リストに無いものについては、ご相談ください。
ファイル形式が以下の形式に書き出せるものであれば使用ソフトの制限はありませんが、
フォント情報が残るPDFデータをiOS環境(Mac、iPhone、iPad等)にて書き出したもの については不具合が発生する場合があるので、ご入稿時にご一報ください。
  • 入稿の際には、印刷に直接関係の無いデータはフォルダを分けて入れておいてください。
    (フォントファイル、見本のJPG、指示書など)
    また、途中経過のファイルは間違いの元となりますので、入稿されないようお願いいたします。
メディア(媒体)の種類説明
マイページ(WEB)ZIPもしくはLZH形式で圧縮してまとめてください。
CD-R、DVD-Rパケットライトでデータを書き込んだものはご遠慮ください。
盤面にはお名前、タイトルを書き入れてください。
USBメモリ原稿以外のデータを入れないようご注意ください。
ロック機能が付いているものがオススメ。
モノクロ紙原稿1枚につき22円のスキャニング、画質調整料金が発生します。
断ち切り・トンボがしっかりと分かるようになっていれば市販の原稿用紙でなくても大丈夫です。
普通のコピー用紙や、プリントアウトしたものを使用する場合は、仕上がりがどこで、断ち切り分がどこまでか明確に分かるようにしてください。また、できる限り用紙の中央に原稿を描いてください。
カラー紙原稿B4サイズまででしたら1枚につき2,200円(税込)のスキャニング料金で承ります。
市販の原稿用紙を使用する場合は、必ず裏面を使用してください。
  • カラー原稿のスキャンでは青い線が出てしまいますので、表面は絶対に使用しないようにご注意ください

ページごとに原稿形態が違っても大丈夫です。
(データと紙原稿の混在でも追加料金がかかりません!)
ページ順が分かるように、紙原稿の場合は裏面か断ち切りの外に、 データ原稿の場合はファイル名の先頭に通し番号を付けてください。
ファイル名の付け方はこちらをご覧ください。

受付可能な原稿の種類/データ編

以下の保存形式以外(clip、mdb、sai、riff、eps、ai、inddなど)は受付不可となります。
大体のソフトはPSDかPNGかPDFで書き出せるはずですので、保存設定に注意しながら書き出してください。

Windows/Mac/スマホ・タブレット共通
種類原稿作成ソフト諸注意
[.psd]Photoshop、SAI
CLIP STUDIO等の
画像編集ソフト
★レイヤーは必ず統合してください★
※テンプレートは統合しないようご注意ください。

カラーモードはソフトによりますが、CMYK、RGB、グレースケール、モノクロ2階調が使用できます。
フルカラー原稿は、sRGBのままでご入稿がオススメ!
★CLIP STUDIO等画像で書き出せるソフトで原稿作成された場合は、
 PDF形式ではなく出来る限りPSD形式で書き出してください。
 (必要なレイヤーは全て統合し、不要なレイヤーは削除してください)
[.png]その他画像系ソフト PSD形式で書き出せないソフトの場合はPNG形式でご入稿ください。
圧縮の設定がある場合は、全て「オフ」にしてください。
[.pdf]InDesign
Illustrator
PageMaker
QuarkXPress
Word
PowerPoint
一太郎
縦式
など
Acrobat4.0(PDF1.3)形式以降が受け付け可能です。
フォントは全てアウトライン化するか埋め込んでいただき、画像の圧縮は全て「オフ」にしてください。
解像度はカラーの場合350dpi、モノクロの場合600dpiもしくは1200dpi。
★iOS環境(Mac、iPhone、iPad等)で書き出したPDFデータはチェック工程が一部異なりますため、ご入稿時にお知らせいただきますようお願い申し上げます★

InDesignなどのソフト上で配置した漫画原稿(トーンを使用しているもの)を書き出すと、まれにトーン崩れが起こる現象が報告されています。
トーンを使用した原稿は、Photoshopなどで別編集していただけますと安心です。

フォントは全て埋め込んでください。
埋め込み不可能なフォントがあった場合には、フォントファイルを一緒にご入稿いただき、フォントが使用されている場所をご連絡ください。

Windowsのみ(Macやその他のOSは非対応です)
種類原稿作成ソフト諸注意
[.doc]
[.docx]
Microsoft Word
2007、2010

上記以外のソフトで作成された場合、PDF化してからご入稿ください。
受け付け可能なバージョンは2007、2010のみです。
※2003は2020年4月をもって対応を終了しました※

※ご入稿時にWordのバージョンを教えてください。
対応外のバージョンや他ソフトのdocファイルはPDFに書き出してください。(フォントの埋め込みを忘れないようご注意ください)

docファイル及びdocxファイルが多数分割されている状態でのご入稿は、通常より納期をいただく場合があります。
短納期でのご注文の場合、追加料金が発生する可能性がありますので、1ファイルにまとめるかPDFに書き出してからのご入稿がオススメです。


特殊なフォントは、別途フォントファイルをご入稿いただければ使用することが可能です。
(フォントによっては印刷に適さない場合があります)
弊社で対応していないフォントがあった場合はお問い合わせさせていただきます。

小説の本に挿絵が入る場合など、Wordファイルと画像ファイルを混合される場合は挿絵が入る部分を白紙として空け(ページ番号は入っていてもOKです)、そこに挿入する旨をご注文時、または別途指示書で必ずご連絡ください。

ポプルスではWindows7および10の環境にてチェックしております。
それ以外のOSで作成されたWordデータをご入稿の際には、万が一の文字抜けや行ズレを回避する為、サンプル確認をご利用いただくかPDFでの入稿が安心です。
確認いただけなかった場合の体裁崩れに関しましては、責任を負いかねますのでご了承ください。

受付可能な原稿の種類/紙原稿編

種類原稿作成ソフト諸注意
紙原稿 ---------------- データ原稿よりも納期がかかります。
お早めにご入稿ください(詳しくは納期のページをご覧ください)

紙原稿をお送りいただく際は、水に濡れないように、また曲がらないようにしっかりと保護してお送りください。
届いた時点で原稿が破損していた場合、速やかにお客様にご相談させていただきます。


紙原稿はスキャニング、調整料金が別途発生します。
→詳しくはコチラ

複数人が参加する本の場合、原稿用紙はできる限り統一してください。
別々の原稿用紙を使用する場合でも、大きさは統一してください。
また、できる限り用紙の中央に原稿を描いてください。

原稿用紙の使い方ついて
原稿用紙のガイド線通りに描かれていない原稿の印刷サイズ等は基本的に 弊社にお任せとなります。ご指定がある場合はご入稿時にお申し付けください。
(ご希望の処理によっては追加料金が発生する場合があります)

原稿用紙に沿って描かれていない場合、仕上がりを判断できない場合があります。原稿を描き始める前に今一度説明書をよくお読みください。
トンボなどを入れて仕上がりが分かるようにしていただければ、市販の原稿用紙でなくても大丈夫です。
大きな原稿用紙に描いたものを小さい本にすると潰れる場合があります。
原稿のサイズは原寸でなくても大丈夫ですが、比率は合わせてください。

天地を間違えて描いてしまった場合は、枠外か裏面に天地を書き入れてください。

下書き線について
下書きの線が残っていると薄く出てしまいます。
(特に赤や青の色鉛筆は印刷で出てしまいます)
特にトーンの下に下書きが残っている場合、非常に目立ちます。
スクリーントーンを貼る前に、消してあるかよくご確認ください。

うす墨、ベタムラについて
しっかりとした黒で塗られていない部分、特にコピックのグレーや インクジェットプリンターで出力したものはカスれた状態で印刷されます。
追加料金が発生しますが、アミ点化することで綺麗に印刷でる場合がありますので、 ご希望の場合には入稿時にお申し付けください。

スクリーントーンについて
入稿前に剥がれている部分が無いかよくご確認ください。
あまり細かいトーンは潰れたり飛んだりする可能性がございますのでご注意ください。60線以下ですと安心です。
特に大きな紙原稿からA6などの小さい本にする場合は、潰れてしまう可能性が高いです。

修正液で修正した上や下書きが残っている状態の上からトーンを貼りますと、 その部分が黒く出てしまうことがあります。
また黒ベタの上から貼る際、少し浮いた状態のままですと、 うっすらと白くなってしまいますので、よく定着させてください。

フキダシについて
セリフを貼り付ける場合は、剥がれないようにしっかりと糊付けしてください。
あまり厚い紙を貼りますと紙の影が黒線として出てしまうことがあります。
セリフ抜けにご注意ください。

フルカラー原稿について
表紙の場合は、どちらがオモテ表紙・ウラ表紙か分かるように裏面に記入してください。
フルカラー原稿の場合は、モノクロ原稿に比べて下書きやゴミが飛ばしにくいため、印刷に出やすいです。
反射する素材(ラメ・アルミホイルなど)は正しくスキャンできない場合があります。(黒っぽくなってしまう場合があります)
また、蛍光素材は極端に色が変わる場合があります。
(薄い色は飛んで見えなくなることもあります)

フルカラー原稿は原稿用紙の表側に描かないでください。
青い線がそのまま出てしまいます。