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■綺麗な本にするためには「断ち切り」が大事?
同人誌の原稿を作る段階でよく聞く"断ち切り(断ち落とし)"。
原稿を作る上で重要な言葉なのですが、何のために必要なのかピンと来ないかもしれません。
実は原稿を描きはじめる前に意識しておかないと後からの修正が難しいポイントですので、
理解した上で原稿に取り掛かるのがオススメです。

STEP1 …そもそも断ち切りって何?

本が出来上がる工程は、おおまかに言うと印刷(いんさつ)→製本(せいほん)→断裁(だんさい)です。

製本の流れ

それぞれの工程で1mmもズレずにピッタリ合わせる事ができれば
断ち切り分は必要ないのですが、どうしても1mm前後はズレが発生してしまいます…。
この各工程でできてしまう、ちょっとしたズレを目立たなくさせるために"断ち切り"を作ります。




STEP2 …断ち切り部分を作る

市販の紙原稿で作成する方は、紙原稿に使い方が書いてありますので、よく読んでみてください。
漫画の内枠の基準線となる線も引いてあるので、お間違いのないようにご注意ください。

デジタル原稿の場合は、まず最初の設定が重要です。
断ち切り分は3mmご用意ください。(ポプルスに入稿する場合は、トンボ不要です)

本によく使われる以下のサイズを例にすると…
B5サイズ 182mm×257mm 同人誌で一般的なサイズ
A5サイズ 148mm×210mm 少し小さめの一般的なサイズ
B6サイズ 128mm×182mm 青年漫画等の単行本サイズ
文庫サイズ 105mm×148mm 小説本にとても多いサイズ


断ち切り分3mmを含めたサイズ設定(これを初期設定にします)
B5サイズ 188mm×263mm 左右上下それぞれ3mmずつ
足したサイズになっています。
(高さ幅共6mm大きいサイズ)
A5サイズ 154mm×216mm
B6サイズ 134mm×188mm
文庫サイズ 111mm×154mm


文字だけだとちょっと分かりづらいので、図でB5サイズの設定を見てみましょう。
B5サイズ仕上がり
左の画像の赤くなっている部分が断ち切り分です。
右の画像は、その断ち切り分を切って実際の仕上がりにしたイメージです。



では、断ち切り分があると実際にどういうことが回避できるかご紹介します。
下図は同じズレが発生した場合の比較です。
ズレ見本
よく見ると右の画像は白い部分が出てしまっています。
わざと斜めにズラしたものですが、同じようにズラした左の画像は
断ち切り分があったので客観的に見るとズレが分からない仕上がりでした。
ここまで極端にズレることは滅多にありませんが、少しでも白い部分が出ると目立ってしまいます。



STEP3 …文字の位置に注意してみる

上記まで周りに3mm大きく画像が必要だという事をご説明いたしましたが、
それと合わせて、文字などの切れてほしくないものは余裕をもって配置することが重要になります。
文字の位置もズレる可能性があり、ギリギリの位置にある文字は切れてしまう場合があります。

■文字が切れないようにするには?
絶対に切れてほしくないものは、仕上がりから3mm以上離すと安心です。
ギリギリのデザインにしたい方も、3mmでも結構ギリギリに見えます。
文字が切れないようにするには?

■逆に文字が切れるデザインにするには?
確実に切れるようにする為、わざと断ち切りまで伸ばすのも手です。
もしくは、ハッキリと切れる位置まで出すようにしましょう。
※切れるデザインの場合は、予め注文時にメッセージで教えていただけますと幸いです。
文字が切れないようにするには?



STEP4 …もし断ち切りを作り忘れてしまったら…?

慣れている人でも、断ち切りのことを考えながら原稿作成するのは難しいものです。
塗り終わって改めて見てみると、断ち切りのことを考えていなかった、なんてことも…。
そんな時のアイデア例をご紹介します。

アイデア1
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周りに枠を付けてみましょう。
これが一番簡単な方法です。

こうすれば、描いた絵を切らずに
全て利用する事ができます。

断ち切りを考えていたけど、絵の端まで
どうしても使いたいなぁという時にも
この方法が良いのではないでしょうか?

枠がギリギリすぎると意味が無いので、
枠の幅は仕上がりから3mm以上、
断ち切りの外側から6mm以上
の幅に
しましょう。
回避方法アイデア1


アイデア2
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断ち切り3mmは無理でも、
なんとか1.5mmを確保する。

文字の位置に少し余裕があるなら、
少しだけ拡大して断ち切り分を
1.5mmにしてしまうのも一つの手です。

本当は3mmあると安心なのですが、
ギリギリ大丈夫です(ポプルスの場合)。

※ただし、本文原稿にアミ点が使用
されているものを拡大するとモアレが
発生しますので、ご注意ください。

回避方法アイデア2


アイデア3
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スタンプツール等で描き足す。

時間はかかりますが、上手くできれば
この結果が一番綺麗です。

PhotoshopCCであれば
「コンテンツに応じて塗りつぶし」機能
を使うと、かなり良い感じに自動で
塗りつぶしてくれ、修正が少しで済む
場合があります。
それ以外のソフトの場合は、
かなり時間がかかってしまうので
アイデア1・2をオススメします。
回避方法アイデア3



番外編 …ポプルスではどうしてる?

もし万が一断ち切りが無い原稿だった場合、ポプルスでは以下の対応をしています。

■拡大できそうなら拡大する(特にご連絡はしません)
文字がよほどギリギリでない&仕上がりに影響ないデザインだった場合、
少し拡大して断ち切り分を作成します
白い部分が出てしまうと単体で見たときには目立たないのですが、並べてみたときに
個体差が多く出てしまうので、可能な限り断ち切り分を作成しています。



■対応をご相談する
拡大すると文字が切れてしまったり、モアレ等が発生してしまう場合には
お客様にご相談してどちらを優先するか決めていただきます
文字や切れてまずそうな絵は、弊社では判断できませんので
お客様にご相談させていただきます。
(入稿した後も連絡がつくようにしていただけますと幸いです)



■そのまま手を加えずに進行する
対応をご相談したときに連絡が取れなかったり、
急ぎのセットだった場合にはそのまま進行します
1週間以内の納期でご利用の際には、予めよくチェックしてからご入稿いただけると安心です。